2013年5月25日土曜日

個人長期投資家として私がダンゼン中小型株を好む3つの理由



長期の個人投資家が日本株の銘柄を選ぶ際には、日経平均に採用されているような大型株ではなく、中小型株を選ぶ方が良い。特に時間をかけて銘柄研究をして選ぶのであればなおさらだ。

なぜならば、中小型株の方がわれわれ個人投資家でも機関投資家に対してハンデ少なく、場合によっては優位に勝負できる上、株価を決める要因であるEPSの拡大も、PERの上昇も期待しやすいからだ。

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中小型株では個人も機関投資家に勝てる
投資は情報戦だ。

他の投資家が得てない有用な情報を先に手に入れ、先に売買することができれば、リターンを生みやすい。例えば、決算発表前に、その企業の状況が好調か・不調かといった、ざっくりとしたトーンだけでもわかれば、それに基づいて買う・売るをするだけで、決算発表後の実際の値動きから利益を出すこともできるだろう。

もちろんインサイダーにならない範囲で、という条件つきなので、的が外れることもあるだろう。それでも、他の投資家よりも早く情報を得られることは、大きなアドバンテージとなる。

われわれ個人投資家よりも機関投資家にはそのチャンスが圧倒的に多くある。例えば、機関投資家は企業訪問で社長や財務担当者に直接会うことができる。証券会社からも関連レポートが朝一番に送られてくる。証券会社のリサーチアナリストが個別の問い合わせにも応じてくれる。

一方で、機関投資家の投資は不自由でもある。扱う金額が大きいため、流動性の低い(一日の売買高が少ない)銘柄には投資しにくく、自然と大型株への投資が多くなる。関連して、証券会社も中小型株のレポートを書くリサーチアナリストは少ないので、個人投資家と機関投資家の間の、情報の非対称性は少なくなる。

よって、機関投資家の投資できないような規模の小型株であれば、個人投資家の独壇場なのだ。

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中小型株の方がEPSの成長性が高い
圧倒的な情報量を持つ機関投資家の介入が少ない中小型株であれば、機関投資家が買い始める前の割安成長株に投資できる機会が多くなる。

特にEPSの拡大余地を考えた場合に、EPSを増やすには、売上を伸ばすか、利益率を上げる必要がある。利益率を上げるのは難しい。リストラ等のコスト削減があるが、そもそも無駄を省こうとしている日々の企業努力の中で達成している利益率を更に上げるのは容易ではない。

一方で、売上を伸ばすことの方がやりやすい。売上が増えれば、利益率が一定でも利益の額は増えるのでEPSも増える。また損益分岐点を超えているのであれば、売上が増えるにしたがって、利益率も改善しやすい。私は、売上を伸ばしやすいのは、大型株よりも中小型株だと思っている。既に1兆円ある売上を2倍にするよりも、50億円の売上を2倍にするほうが早く達成できるだろう。

中小型株の方がEPSの成長性を期待しやすい。


中小型株の方がPERの上昇余地が大きい
中小型株投資には「指定替え」という醍醐味がある。

ジャスダック、マザーズ、東証二部から、東証一部へ昇格する場合などには、注目度も集まり、流動性も高まる期待から、PERが跳ね上がる場合が多い。既存の株主にとっては大きなプレゼントとなる。

私のポートフォリオの中では、2012年にツクイとFPG(売却済み)が指定替えの対象となり、PER上昇の恩恵を受けることができた。



最後は銘柄選定の確かな目が重要
もちろん中小型株投資にはリスクもある。

特に売上の規模が小さい企業は景気の流れに左右され、業績が一気に悪化してしまうなど、基礎体力が低い場合もあるだろう。

しかしながら、上記の3つのメリットを考えると、私は、大型株に投資するよりも、中小型株に投資をし、大化け株を探す方が効率が良いし、なによりも楽しいと感じている。


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3 件のコメント:

  1. お疲れ様です。中小型株の成長力は魅力的ですよね。その分自己資本が弱い場合が多いですが、多少は大目に見るしかないですよね。

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  2. のんびりマンさん、そうですね、確かに私も自己資本の弱さが不安で投資を見送った銘柄がいくつかあります。私は自己資本比率ができれば40%以上、低くても30%欲しいと思っていますが、実際に債務超過になる会社は少なそうな気もしています。

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  3. のんびりマン2013年5月29日 12:30

    個人的には、自己資本比率については過去から現在にかけて、増えているか、減っているか、つまり利益剰余金が着実につみあがっているかどうか、が大事かと考えています。

    成長期にある会社の多くはかなりレバレッジをかけて事業をされていますし、それが高ROEの要素でもあるので、比率が低いのは悩ましいですね。

    ただ、成長企業において事業者がリスクを取るのと同じで、我々も多少リスクを負いながら投資することは、高収益を目指すためには必要だと考えています。

    どこまで許容できるかが、その人のスタンスを形成するポイントになるでしょうね。

    長々と失礼しました。

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